ハロプロ楽曲大賞'22
今年もハロプロ楽曲大賞に投票しました。
以下、私の投票を記載します。
(ブログの日付は12月7日ですが、実際に内容を記載したのは12月9日です)
楽曲部門
『弱さじゃないよ、恋は 』つばきファクトリー
3.0
どこかケルティックなテイストも感じさせるリフから始まり、ベースがタイトに8分を刻むイントロで一気に引き込まれます。Aメロで女性ボーカルにしては低い音も使い、Bメロ、サビへの盛り上がりを強調しているのは実に巧みだと感じます。2番Aメロでの歌に呼応するように変化をつけるハイハットも気持ちいいです。
情景描写と心情の表現を織り交ぜて、景色の中に感情が浮かぶような歌詞も素敵です。「街の風景を見て“綺麗”と思ったときにそれを共有する相手が傍にいる喜び」を「「綺麗だね」って素敵ね」の短いフレーズで表現しているのが見事です。
まさに歌詞のように「なぜかこみ上げる 泣けてくる」1曲。
「ひとりでいないことを選ぶのは弱さではない」という歌詞のモチーフは、同じ作詞者によるJuice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』とどこかで通じるものかなとも思います。
『プラトニック・プラネット (Ultimate Juice Ver.)』Juice=Juice
2.5
まさに「圧巻」。ペンタトニックを使った印象深い冒頭の「愛 愛 愛 愛」からイントロも間奏も最小限でひたすら歌の力で最後まで引っ張っていかれるような感じ。
「アフロディーテ」「ほらね見て」、「マグダレーネ」「もしかして」の押韻も気持ちよく耳に残ります。
個人的に大好きなのがギターソロで、ワントーンで1小節押しきるエモーショナルなプレイで始まり、後半ではちょっとジャジーなテイストの音使いへと。激しさと洗練が同居しているようなギターソロは、この曲全体を象徴しているように思えます。
(※アルバム収録曲でミュージックビデオがないため、公式のアルバム紹介ムービーを再生開始時間を設定して貼り付けています。)
雨の中の口笛 / Juice=Juice
2.0
「ダーリンこの先で」のフレーズで幕を開け、直後の「はぐれたりしないでね」で(「はぐれたーり」と歌われているため)「ダーリン」と「たーり」と似た響きを重ねていく気持ちよさに引き込まれました。その後のウ段が続く「トゥトゥ トゥルトゥ」のあとに「並んで歩く」と、最後にウ段ふたつが並ぶ脚韻も、きちんと収まる心地よさがありました。
中盤の「相合傘」「ないない、まだ」「曖昧だな」と「A−I−A−I−A−A」を重ねていくライミングも気持ちよいですし、同時に韻を踏まない「愛してる」のフレーズを引き立てていると思います。
全体的に韻の気持ちよさを感じる曲でした。
(※アルバム収録曲でミュージックビデオがないため、公式のアルバム紹介ムービーを再生開始時間を設定して貼り付けています。)
ないものねだり / Bitter & Sweet
1.5
アコースティックギターと軽く歪んだエレキのストロークで始まるイントロからもうたまらない。シンプルなようで随所で動いて躍動感を生み出すベースや、さり気なく効果的に使われるタンバリンなど、楽器のアンサンブルがとにかく魅力的です。
「いい子」が抱く葛藤を歌う歌詞もBitter & Sweetのふたりに合っているように感じます。あまり歌詞には使われそうもない「うらぶれて」という言葉を使っているのも一つの引っ掛かりを作っていて効果的。2番サビで「ほんとに大事なことは何だ? ありのままでいることなんだ」と、同じ「なんだ」の発音で問いと答えにしているのも好きな部分です。
GYB!! / HY:RAIN
1.0
この曲を「ハロプロ楽曲大賞」で入れることに迷いも感じましたが、この曲が劇中歌として使われていたアニメ『シャインポスト』は今年かなり入れ込んだ作品なので、その意味もあって入れることにしました。
半音を巧みに使った「Get you back! Get,get you back!」を連呼するフレーズがとにかく印象的。(そのパートをAメロとして、以下B、C、D、サビとすると)Cメロ、Dメロ、サビはA、Bとは異なり四七抜き音階で作られており、メリハリを付けるとともにキャッチーさを生み、全体として耳に残りやすい曲になっていると思います。
歌詞は別れた恋人に「あなたにふさわしいのは私なのだからあなたを取り戻す」と呼びかける内容ですが、アニメ本編ではこれが別のアイドルグループで活躍する友人でありかつての仲間への気持ちの表現として使われていたのが曲の印象をより強くしています。
ハロプロ楽曲カバー部門
『寒いね。(2020 Ver.) 』佐藤優樹×金澤朋子
5.0
素晴らしかった。それだけです。
『Memory 青春の光』小田さくら×岸本ゆめの
0.5
昨年YouTube部門で投票しているのですが、今年もこの部門で投票対象になっていたので改めて。
『モーニングコーヒー 』浅倉樹々×北川莉央
0.5
昨年、YouTube部門で迷った末に投票しなかったのですが、今年この部門で投票対象となっていたので改めて投票です。
MV部門
『Teenage Solution』モーニング娘。'21
2.0
AメロからBメロ途中まで、カメラが移動する長回しのカットをつなげることで擬似的なワンシーンワンカットにしているのが気に入った部分です。特にメンバーの動きを追ったカメラの横移動やパンがシネスコサイズの横長の画面によって引き立てられ効果的だと思います。
冒頭など随所にインサートされる屋外での自然光を活かした仰角のカットも印象的でした。
プラスティック・ラブ / Juice=Juice
2.0
被写界深度が浅く、フィルムルックに仕上げられたロケ撮影のイメージシーンが曲のイメージに合っていて好きな雰囲気です。
メンバー全員が揃う屋上ロケのサビでは、夜に撮影されたカットをスタンダードサイズで挟み込むのが、曲の主人公の見る人によって違う別の面を象徴しているようで効果的に感じました。
『Piece of Peace ~しあわせのパズル~』アンジュルム
2.0
サビの屋外での全員ショットが、1番サビと2番サビではやや雲がかかった光の中で撮られていますが、間奏後のサビは晴れた陽の光に照らされていて、同じ場所、基本的に同じ振り付けにもかかわらず違った印象を与え、歌が伝えるドラマをより引き立てているようでした。そのサビのカットが印象に残ったのが投票理由です。
YouTube部門
【アプカミ#286】「アドレナリン・ダメ」ギター&ベースREC・「雨の中の口笛」江端妃咲 ボーカルレコーディング・「ハムカツ黙示録」ガヤレコーディング MC : 山岸理子 江口紗耶
2.0 前身番組からずっと楽器レコーディング映像を頻繁に流してくれていた『アプカミ』は、2021年7月を最後に(ハロプロメンバーが演奏したもの以外は)楽器レコーディングが配信されることはなくなり、これはもう企画が終了したのだなと思っていたところ1年以上を経て楽器レコーディングが復活して嬉しかったのんがこの回でした。いまのところ2022年はこの回を含めて3回楽器レコーディングが配信されていますが、来年も続けて配信されることを祈っています。
【歌ってみた】メイキング
2.0
高橋愛さんの「歌ってみた」企画はもちろんカバー曲も含めてどの曲も素晴らしかったのですが、レコーディングの様子を映したメイキング編を。高橋さんの歌への角田崇徳ディレクターの指示も含めて興味深い映像でした。『シャボン玉』レコーディングでテストのつもりのテイクで「このテイクで終わりでいいと思うんだけど」となるところや、その場にいるスタッフにアイディアを募るところなど、面白かったです。
元祖【踊ってみた】紺野あさ美ちゃんと初コラボ!モーニング娘。そうだ! We’re ALIVE踊ったよ♪
2.0
高橋愛さんと紺野あさ美さんが久々に、しかも娘。の曲を踊るという企画自体がもうたまりません。娘。在籍時のメンバーカラーに合わせたふたりの衣裳もよかったですし、娘。時代のエピソードも出てきたふたりのアフタートークも楽しかったです。
ONE PLUS ONE筒井澪心×高橋愛「気まぐれプリンセス」
2.0
娘。曲を歌い踊る高橋さんの姿が見られたのが嬉しかった企画です。なんか映画やコミックの登場人物にいそうな感じの高橋さんの衣裳と髪型もいいですね。
パフォーマンスのあとのトークも興味深い内容。
Aメロで歌声にエフェクトがかかっていないこの曲を聴くのがちょっと新鮮でした。
SONGS/モーニング娘。
2.0
加賀楓さん振り付けの娘。ダンス動画は、娘。が普段踊っているダンスとは音との合わせ方に違うニュアンスが感じられて興味深かったです。3曲どれもよかったのですが、複数人のダンスが楽しめてかつ加賀さん本人も参加しているこの曲を。
推しメン部門
保田圭
おそらく保田さんがいなければハロプロにここまで興味を持つことはなかったと思いますし、いつまでも私の基礎となる存在です。
動画は2013年12月の保田さんバースデイライブから、YouTube番組『UF LICKS』で配信された『I WISH』の一部をクリップ機能で抜粋したものです。よければ曲全体聞いてみてくださいね。
全体的な感想のようなもの
私の今年の投票内容とコメントは以上です。
楽曲部門については、単純に気に入っている曲を選んで4曲はあまり悩まずに決まりました。残る1曲に選んだのは、BEYOOOOONDSの高瀬くるみさんが声優として出演しているアニメの曲でこれを「ハロプロ楽曲」に入れることに躊躇も感じたのですが、やはり気に入った曲ではあったので。つばきファクトリー『弱さじゃないよ、恋は』がすごく気に入っていたので、これを最高ポイントとしてデフォルトの配点で点を付けました。
MV部門は、正直今年は飛び抜けて気に入ったものはなかったので、投票した3曲を全部同点で。
カバー曲部門に関しては、チェックしていない曲が多かったため、当初はこの部門はパスするつもりでした。しかし、YouTube部門の投票対象だと思っていた金澤朋子さんと佐藤優樹さんの『寒いね。』がYouTube部門でなく、この部門でしか投票できなかったため、投票することにしました。そのため、ほかの2曲に関しては3曲揃えるためだけに選んだところがあります。ちょっと自分では良くない投票の仕方かなとの想いも残っています。
YouTube部門に関してはなにしろ投票内容が膨大なのですが、個人的に「楽曲」に関するもので気に入ったものを選んだつもり。60%が高橋愛さん関連となりました。ちなみに高橋愛さんのYouTubeチャンネル「高橋愛lab.」では昨年も秀吉さんのアコースティックアレンジによる「『恋ING』歌ってみた」や、中島卓偉さん作詞作曲によるオリジナル曲制作ドキュメントなど投票対象なら入れたかったコンテンツがアップされていたのですが、なぜか昨年は投票対象に入っていなかったことを書き添えておきます。
個人的な印象として、今年は投票で戸惑う点がいくつかありました。
新設の「ハロプロカバー曲部門」は、グループの過去曲の現メンバーによるバージョン、いわばリメイクと番組などの企画でのカバーを一緒に扱うことに少し疑問がありました。
また、カバー曲部門とYouTube部門両方で同一コンテンツが投票対象となっていたり、一連のシリーズ企画である「COVERS -One on One-」が映像ソフト化されている分と未ソフト化分で別部門となっているのも違和感を感じています。
まあでもそれが主催者サイドの判断なんでしょうから。
来年以降、またどんなかたちで開催されるかも期待しています。