佐藤優樹さんソロデビューシングル
3月29日佐藤優樹さんのソロデビューシングルがリリースされました。
タイトル曲2曲に通常盤A・B・C・Dそれぞれに収録されたAdditional Trackも合わせた6曲は、予想以上に幅広い楽曲群で驚かされました。
同時に、どの曲にもどこかに「懐かしさ」が共通して漂っているようにも感じます。
タイトル曲『Ding Dong』はサウンドは現代風なデジタルサウンドながらメロディはヨナ抜き音階をベースにした、ある種「歌謡曲」っぽいメロディとなっています。
タイトル曲のもう1曲『ロマンティックなんてガラじゃない』は、現ダウ風なモータウンサウンド。
通常盤C収録の『プラスティック・ジェネレーション』は1980年代シティ・ポップを思わせます。
インタビューやラジオ番組などでの佐藤さんの楽曲についての発言にも「懐かしい」とか「レトロ」といった言葉が使われていることも多いようで、制作段階から「懐しさを感じさせるポップソング」というのがコンセプトのひとつとしてあったのかなと想像します。
実は、佐藤さんのソロデビューを知ったとき、ハロプロやハロプロOGの中ではちょっと異色な路線になるのかなと勝手に想像していました。過去の発言などを見ると、佐藤さん自身はネット発クリエイターなどの楽曲にも興味があるようですし、ご本人のその嗜好が反映されれば、ハロプロやほかのハロプロOGの楽曲とはやや趣の異なる曲になるのではないかと思っていたのです。
実際の楽曲は、悪い意味ではなく、どれも佐藤さん以外が歌っても成立するような楽曲となっており、そのストレートさは意外でもありました。
ORICON MUSICに掲載されたインタビュー記事を読むと、ソロデビューに際してあえてご本人から意見は出さなかったようで納得感がありました。(前後編のインタビューの後編にリンクしています。前編は→https://www.oricon.co.jp/news/2273074/full/)
制作サイドには、佐藤優樹さんに一度スタンダードなポップソングを経験させようという意図があったのではないかと思います。
それは歌詞の面にも感じられます。
たとえば『Ding Dong』の情熱的な恋へと落ちていく女性像や、『ロマンティックなんかガラじゃない』の同世代の女性が共感するような女性像も、佐藤優樹さんに合わせたとしたら出てこない歌詞なのではないかと思います。
やはり、制作側からあえて佐藤さんのキャラクターを意識しないようにという発注があったのではないかと想像します。
(個人的に今回の楽曲群の中で一番佐藤さん本人とイメージが重なるのは『グリーン・風ラワー』です)
デビューシングルの6曲は、佐藤優樹さんのシンガーとしての魅力を堪能できる楽曲群だと感じています。
これからの活動の中で、佐藤さん本人が制作過程にも関わり、クリエイターとして面も見せるようになったとき、そこで生み出されるのはどんな楽曲になるのか、今後も楽しみです。
各音楽ダンロード販売サイトでは、シングル6曲をまとめた「Special Edition」がダウンロード販売されています。iTunes Storeでは購入前にもプレヴューで1分以上試聴できるので、タイトル曲2曲以外をまだ聴いていない方はぜひ聴いてみてください。
娘。時代にはなかったような、生々しいギターのサウンドに佐藤さんのボーカルが乗る『グリーン・フラワー』は新鮮に感じました。