本日4月28日にJuice=Juiceのニューシングル『DOWN TOWN/がんばれないよ』がリリースされました。
収録曲の1曲『がんばれないよ』は、終盤の転調がすごくきれいです。
転調自体は、ハロプロ楽曲も含めてポピュラー音楽でよく使われる半音上への転調です。
半音上への転調だと、歌のないパートで転調したり、ブレイクを挟んで転調したり、あるいはボーカルのロングトーンで「♪Ah〜 ♯Ah〜」のように上がるパターンが多いと思います。
『がんばれないよ』では「さあ 明日もがんばれ」
というフレーズの途中で転調しています。途中でキーが変わるので「明日もがんばれ」
のメロディ単体だと若干不自然というか落ち着かない感じもあり、そのためかネット配信番組『アプカミ』でのレコーディング風景を見ると植村あかりさんがこのパートで少し苦労しているように見えます。
しかし、オケの中でこのメロディが歌われ、かつ転調後のメロディと重なると、ひじょうに滑らかに転調の前後をつないでいます。
歌のないパートやブレイク、ロングトーンで転調するというパターンは、転調のポイントをはっきりさせることである種のギャップを作り「この曲はここから一層盛り上がりますよ!」というより強い高揚感を生み出していると思います。
『がんばれないよ』の、そのギャップを作らずひとつのフレーズの中で移り変わっていく転調は、歌詞で歌われる「がんばれないよ」
という弱音と「がんばりたいよ」
という気持ちが、切り替わるのではなくつながった感情として移り変わっていくことを強調しているように感じます。
大サビの金澤朋子さんパートで使われるスケール外のE♭もいい。
CDの初回生産限定盤SP1の付属DVDに収録され、配信では音源も販売されている『がんばれないよ』各メンバーのソロヴァージョンは、ピアノとアコースティックギターによる違ったアレンジになっており「さあ 明日もがんばれ」
のパートがありません。シングルバージョンと聴き比べると「さあ 明日もがんばれ」の役割がよりわかると思います。
※文中引用部は Juice=Juice『がんばれないよ』作詞:山崎あおい 作曲・編曲:KOUGA より