恋時計

先日、YouTubeハロー!プロジェクトのコンサートやファンクラブ向けイベントの公式ダイジェスト映像が何本か公開されました。メンバーのコメントや字幕などから海外のファンの方をメインターゲットに想定しているもののようですが、本来は観られる方が限られているイベントなどの模様が観られるのはありがたいことです。

 さて、公開された動画の中のJuice=Juice金澤朋子さんバースデイイベントアンコール公演ダイジェスト映像で、つばきファクトリーの『ふわり、恋時計』が歌われているのですが、これが素晴らしい!
 ひとりのシンガーによって歌われることで、歌詞の主人公の気持ちの移ろいが、より鮮明に、繊細に、ひとりの人の感情の揺らめきとして表現されているように感じます。

 “手折って”から始まり“君だけに見られたくて”まで続くサビでの「て」の脚韻も、流麗に美しき引き立っていると思います。
 もともと『ふわり、恋時計』は好きな曲ですが、金澤さんの歌唱によって、また楽曲の新しい表情が観られた気がしています。
 イベントで金澤さんが歌ったと知ってから見て(聴いて)みたいと思っていたのですが、ワンコーラスだけとはいえ映像で触れられる機会があってよかったです。

 


Juice=Juice Tomoko Kanazawa BirthdayEvent 2020 Encore Performance』Digest(1st Performance)

(『ふわり、恋時計』は4分45秒くらいからですが全編よいのでよっぽどのっぴきならない事情でもない限り最初から最後まで観ましょう)

 


 以下は『ふわり、恋時計』についてちょっと余談。
 この曲は、過去の痛みから恋愛を避けていた主人公の、新たな出会いで変わりはじめた心を動き出した時計に喩えた歌詞で、歌詞だけでなくサウンドでも時を刻む秒針の音が印象的に使われえています。
 楽曲の制作工程を想像すると、歌詞で「時計」が使われていたから編曲の段階で時計の音が取り入れられたと考えるのが自然かと思います。
 ただ、この曲の作曲者の星部ショウさんがご自身の公式サイトで書かれた ライナーノーツ“制作時に大好きで聴いていた”曲のひとつとして挙げられているのがZedd, Alessia Caraの『Stay』。
 別れの予感を感じる中でStay=ここにいてほしいと歌う切ない曲で、別れが留めようもなく近づくのが“The Clock is Ticking”と歌われ、時計の音も使われています。


Zedd, Alessia Cara - Stay (Lyric Video)


 もしかしたら、歌詞が付く前のデモ音源の段階で『Stay』を意識して時計の音が使われていて(さらに可能性としては仮の歌詞に「時計」が出てきていたのかも)、それが「恋時計」というフレーズに発展したのではと、そんな想像も膨らむのでした。